第316章

 自分のためでなくとも、ククのために強くあらねばならない。

 それに、ククはいつだって陽だまりのような、明るく前向きな子だ。もし万が一、極端な変化が現れたとしても、それはきっと良い方向への変化に違いない。

 そう、絶対にそうだ!

 そう自らに言い聞かせ、前田南は気を取り直すと、真摯な面持ちで山口夕夏に微笑みかけた。

「夕夏、ここ数日は本当に苦労をかけたわね。もしあなたがいてくれなかったら、ククのあの状況にどう対処すればいいか、私一人では途方に暮れていたと思う」

「はいはい、ストップ! 感謝の言葉なんて聞くの、一番嫌いなんだから!」

 山口夕夏は両手を腰に当て、ふん、と鼻を鳴らした...

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